会社の変更登記手続き

1. 役員変更登記手続き

2. 募集株式発行登記手続き(増資手続き)

3. 本店移転登記手続き

役員変更登記手続き

(1)役員変更登記とは

株式会社において、取締役、監査役、代表取締役など、登記簿上「役員に関する事項」に登記されている事項に変更があった場合に、変更の日から2週間以内に管轄の法務局に変更登記を申請する必要があります。

役員変更の登記は変更(就任した日、退任した日等)の時点から2週間以内に登記申請を行う必要があり、2週間を経過して申請がされた場合、裁判所から100万円以下の過料が課されることになっています。

(2)役員変更の事由

株式会社の役員の変更には、以下のものがあります。
①就任
②任期満了による退任
③辞任
④死亡
⑤解任
⑥重任
⑦欠格事由による退任

この中で一番気を付けなければならないのが②と⑥になります。役員の任期は会社法上、定款で定めていなければ、取締役(代表取締役もここに含みます。)で2年、監査役で4年、会計参与で2年、会計監査人で1年となっています。

そのため、「任期切れで実は退任していた」などということが無いよう、役員の任期には注意が必要です。
また、「うちは一人役員で、ずっと再任してるから大丈夫」という方もいらっしゃるかと思いますが、これも実は登記が必要な事由になります。先の「重任」がこれに当たります。

役員には任期というものがある以上、必ず退任してから再任されるため、一度は退任の登記を行い、改めて就任登記を申請するのが原則です。ただしこれでは煩わしいため、役員変更の決議を行う定時株主総会において、任期満了に伴い再選され、その就任を承諾した場合には、「重任」という変更の登記が認められています。

(3)平成18年前後に設立された会社について

平成18年4月以前に設立された株式会社の場合、最初の役員の任期は「設立後1年内の最終の事業年度に関する定時株主総会の終結の時まで」です。一旦そこで役員の任期が満了し、退任するため改選の登記が必要になります。その後は2年に1回役員の変更登記が必要です。役員の登記は忘れがちなので注意が必要です。

平成18年5月以降は、設立された会社も含め役員の任期を1年以上10年以内で任意に定めることができます(取締役及び会計参与に限ります。監査役は4年以上10年以内とすることが可能です)。平成18年5月以降に役員の任期を10年に変更した場合、今年で役員の任期が終了するため、こちらも変更登記を忘れることが無いように注意が必要です。

(4)お手続きの流れ

Step1-ご相談(ここで設立年月日や定款を確認し、任期の計算を致します)
Step2-必要書類・お見積りのご案内
Step3-押印書類の作成(書類の内容により1~2週間いただきます)
Step4-必要書類への押印
Step5-役員変更登記の申請(法務局での手続きにおおよそ1~2週間前後かかります)
Step6-役員変更登記が完了
Step7-登記完了書類と領収証等をご返却致します

募集株式発行登記手続き

※以下の項目では、全ての株式に譲渡制限がある株式会社(非公開会社という言い方をします)を念頭に記載しておりますのでご注意ください。

(1)増資とは

増資とは、会社の資金調達の手段の一つで、株式を新たに発行し、資本金を増やすことをいいます。会社法では増資のことを「募集株式の発行」という形で手続きを規定しており、その方法に沿って行う必要があります。増資によって発行済みの株式の数及び資本金が変動するため登記手続きが必要になります。

(2)増資の方法

株式会社における増資手続きには大きく分けて二つの方法があります。一つは株主割当という方法、もう一つが第三者割当という方法です。ここでは主に中小企業で多く用いられる第三者割当について記載していきます。

第三者割り当て

第三者割当とは、特定の人(または法人)から出資を受ける方法による増資手続きを言います。非公開会社の場合、手続きの簡単さから第三者割当による場合がほとんどです。
メリット
・増資の決議から最短で翌日には資本金を増やすことが可能
・出資してくれる人を自由に決められる
・銀行などの対外的な信用力が向上する

デメリット
・特定の人に株式を発行するため、発行する株式の数によっては株主総会の議決権に影響が出る可能性がある。

(3)発行可能株式総数について

発行可能株式総数とは、その会社が発行することができる株式数の上限のことを言います。増資を行うと新たに株式を発行するため、発行済みの株式と新たに発行する株式との合計数が発行可能株式総数を超えないよう注意が必要です。発行可能株式総数を超えてしまう場合、増資と合わせて発行可能株式総数の変更の登記が必要になります。

発行可能株式総数を変更する場合、増資とは別に登録免許税(※)が発生するため注意が必要です。
※登録免許税とは、登記の際支払わなければならない税金です。

(4)お手続きの流れ

Step1-ご相談(ここで増資金額やお手続きの内容を確認します)
Step2-必要書類・お見積りのご案内
Step3-必要書類への押印・出資金の振込み手続き
Step4-必要書類への押印
Step5-募集株式の発行登記の申請(法務局での手続きにおおよそ1~2週間前後かかります)
Step6-募集株式の発行登記が完了
Step7-登記完了書類と領収証等をご返却致します

本店移転登記手続き

(1)会社の本店の定め方

会社の本店とは登記簿に記録されている、会社の本店所在場所をいいます。
登記簿上の会社の本店所在場所ですが、以下の3ケースが認められています。
ケース1:本店 東京都港区新橋二丁目16番7号ニュー新橋ビル707号
ケース2:本店 東京都港区新橋二丁目16番7号ニュー新橋ビル
ケース3:本店 東京都港区新橋二丁目16番7号
このように本店がマンションやアパートにある場合でも、必ず住居表示通りに定める必要性があるわけではなく、ある程度柔軟に定めることができます。

また、本店を移転した場合に移転の登記をしなければならないのは当然ですが、市区町村の合併など会社都合以外の場合でも必ず本店の変更登記を法務局へ申請しなければなりません。

(2)本店移転の手続き

会社の本店移転ですが、移転の仕方、定款の定め方によって多少変更の手続きが変わってきます。

①他の市区町村へ移転する場合

この場合定款の本店に関する記載事項が必ず変わるため、株主総会による定款変更の決議が必ず必要になります。具体的には以下の手続きが必要になります。
1.株主総会での定款変更決議+移転後の本店所在場所の決定決議
または
2.株主総会での定款変更決議+取締役の過半数(または取締役会)による移転後の本店所在場所の決定決議

②同じ市区町村内で移転する場合

この場合、定款の記載内容が変わることはないため、取締役の過半数(または取締役会)の決定により本店を移転することができます。

※定款で会社の本店を定めている場合
定款で登記簿上の本店所在場所まで定めている場合、移転先に関わらず原則として上記の1.によらなければ会社の本店を動かすことができません。
この場合ですと本店を移転するたびに株主総会を開催する必要があるため、本店移転される際、定款上の会社の本店所在場所を「都道府県+市区町村」の形に変更されておくと後の手続きがスムーズになります。

(4)申請方法

①東京都内での移転の場合

移転する前の住所地が23区内にある場合、ほぼ必ずと言っていいほど法務局の管轄が変わります。これは23区のほとんどに法務局があるためであり、中央区や文京区、北区、墨田区など一部の例外を除き、本店移転の申請を2カ所の法務局に同時に行わなければなりません。

ケース1:本店を渋谷区から新宿区に移転する場合(管轄が異なる本店移転)

①東京法務局渋谷出張所(以下「渋谷出張所」)への、本店移転する旨の申請書を作成

②東京法務局新宿出張所(以下「新宿出張所」)への、本店移転してきた旨の申請書を作成

③渋谷出張所へ、上記二つの申請書を同時に提出

④渋谷出張所で渋谷出張所宛の申請書を検査し、問題なければ渋谷出張所から新宿出張所へ新宿出張所宛の申請書を郵送

⑤新宿出張所で申請書を検査し、問題なければ新たに、移転してきた会社の登記簿を作成

⑥新宿出張所から渋谷出張所へ登記完了の通知がされる

⑦登記完了
このように少し複雑な流れをたどります。そのため通常の登記手続きと比べて、管轄外の本店移転の場合、時間がかかる場合がほとんどです。また、申請を2カ所の法務局に行うため、登録免許税も2カ所分必要となります。
また都道府県をまたぐ場合も、このような流れをたどります。

ケース2:本店を中央区から文京区へ移転する場合(同じ管轄の場合)

①東京法務局本局(以下「本局」)へ本店移転する旨の申請書を作成

②本局へ申請書を提出

③申請書を検査し、問題なければ本店移転の履歴を登記簿に記載

④登記完了
このように管轄が同じであれば、手続きは非常に簡単です。

②東京都以外の移転の場合
ケース2:ケース1:埼玉県さいたま市から川口市へ移転する場合

①さいたま地方法務局へ本店移転する旨の申請書を作成

②さいたま地方法務局へ申請書を提出

③申請書を検査し、問題なければ本店移転の履歴を登記簿に記載

④登記完了

東京都、神奈川県、大阪府、福岡県などの大都市圏以外での本店移転であれば、基本的にはこのような手続きになります。
法務局のホームページに各法務局の管轄が載っているため、管轄をお調べになりたいときはこちらをご参照ください。

(5)手続きの流れ

Step1-ご相談(現在の本店所在地と移転後の本店所在地を確認し、必要書類の確認をします。)/dt>
Step2-必要書類・お見積りのご案内
Step3-押印書類の作成(書類の内容により1~2週間いただきます)
Step4-必要書類への押印
Step5-本店移転登記の申請(法務局での手続きにおおよそ1~2週間前後かかります。)
Step6-本店移転登記が完了
Step7-登記完了書類と領収証等をご返却致します

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