許認可取得(建設業)

※建設業許可については都道府県により手続きに若干の違いがある場合がございます。以下では東京都への申請を行う場合を念頭に記載しております。
1)建設業の許可が必要な場合
(2)許可の種類と区分
(3)許可取得の要件
(4)お手続きの流れ
(5)弊所にご依頼頂いた場合

(1)建設業の許可が必要な場合

下記の表に記載された軽微な工事を除き、全ての工事について建設業の種類毎に許可が必要となります。

建築一式工事以外の建設工事
建築一式工事で下記のいずれかに該当するもの
1件の工事請負代金が500万円未満※の工事(税込み)①1件の工事請負代金が1,500万円未満※の工事(税込み)
②工事請負代金の額に関わらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事
(主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)
※1つの工事を分割契約した場合は各契約の合計額が対象となります。また注文者が材料を提供する場合、代金に材料の市場価格又は市場価格+運送費を加えたものが対象となります。

(2)許可の区分と種類

①建設業の許可は、一般建設業と特定建設業とに区分されています。許可の区分とは、発注元から工事を請け負い、工事の全部又は一部を下請に出す(1次下請)場合の下請業者の保護を目的としたものです。区分によって取得できる建設業許可の種類に違いはありませんが、同一の許可業種について一般と特定の両方の許可を受けることはできません。

工事の全部又は一部を下請に出す場合の下請契約金額
特定建設業
一般建設業
4,000万円以上
(建築一式工事は6,000万円以上。複数の1次下請契約を行う場合はその合計額)
①4,000万円未満
(建築一式工事は6,000万円未満)

②工事請負代金の額に関わらず、木造住宅で延べ面積が150㎡未満の工事
(主要構造部が木造で、延べ面積の1/2以上を居住の用に供するもの)

②建設業法により、建設業の許可は業種に基づき29種類に分類されています。これらのうち、土木工事業、建築工事業は、土木一式、建築一式工事について許可を得ることが可能ですが、それにより他の工事業(例:大工工事、とび・土工・コンクリート工事等)について500万円以上の専門工事を単独で請け負うことはできません。

土木工事業(土木一式工事)

・原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整の下に土木工作物を建設する工事であり、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事
例・・・橋梁、ダム、空港、トンネル、高速道路、鉄道軌道(元請)、区画整理、道路・団地等造成(個人住宅の造成は含まない。)、公道下の下水道(上水道は含まない。)、農業・灌漑水道工事の一式として請け負うもの

建築工事業(建築一式工事)

・原則として元請業者の立場で総合的な企画、指導、調整の下に建築物を建設する工事であり、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事
例:建築確認を必要とする新築及び増改築

大工工事業

・木材の加工若しくは取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取り付ける工事
例:大工工事、型枠工事、造作工事

左官工事業

・工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹き付け、又は貼り付ける工事
例:左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事

とび・土工工事業

・足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事
例:とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事

・くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
例:くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ぐい工事

・土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事 
例:土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事

・コンクリートにより工作物を築造する工事
例:コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事

・その他基礎的ないし準備的工事 
例:地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締め切り工事、吹付け工事、法面保護工事、道路付属物設置工事、屋外広告物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事、潜水工事

石工事業

・石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取り付ける工事
例:石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事

屋根工事業

・瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事
例:屋根ふき工事、屋根一体型の太陽光パネル設置工事

電気工事業

・発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事
例:発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む。)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事(避雷針工事)、太陽光発電設備の設置工事(『屋根工事』以外のもの)

管工事業

・冷暖房、冷凍貯蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事
例:冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事(配水小管)

タイル・れんが・ブロック工事業

・れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又は貼り付ける工事
例:コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、ストレート張り工事、サイディング工事

鋼構造物工事業

・形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事
例:鉄鋼工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告物工事、閘門水門等の門扉設置工事
加工し、接合し、又は組立てる工事
例:鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事

舗装工事業

・道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事
例:アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事

しゅんせつ工事業

・河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事
例:しゅんせつ工事

板金工事業

・金属薄板等を加工して工作物に取り付け、又は工作物に金属製等の付属物を取り付ける工事
例:板金加工取付け工事、建築板金工事

ガラス工事業

・工作物にガラスを加工して取り付ける工事
例:ガラス加工取付け工事、ガラスフィルム工事

塗装工事業

・塗料、塗材等を工作物に吹き付け、塗り付け、又は貼り付ける工事
例:塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事

防水工事業

・アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事 (※建築系の防水のみ)
例:アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事

内装仕上工事業

・木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、畳、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事
例:インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事

機械器具設置工事業

・機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取り付ける工事
※組立て等を要する機械器具の設置工事のみ
※他工事業種と重複する種類のものは、原則として、その専門工事に分類される
例:プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事(ガスタービンなど)、集塵機器設置工事、トンネル・地下道等の給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事

熱絶縁工事業

・工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事
例:冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事

電気通信工事業

・有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事
例:電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV電波障害防除設備工事

造園工事業

・整地、樹木の植栽、景石の据付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事
例:植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事

さく井工事業

・さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事
例:さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事

建具工事業

・工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事
例:金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取
付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事

水道施設工事業

・上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事
例:取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事

消防施設工事業

・火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取り付ける工事
例:屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事

清掃施設工事業

・し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事
例:ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事

解体工事業

・工作物の解体を行う工事
※それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。
※総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ土木一式工事や建築一式工事に該当する。
例:工作物解体工事

(3)許可取得の要件

建設業の許可を取得するにあたり、主要な要件は以下の6つです。
これらの要件のうち、実質的なハードルは①、②、④になります。

①経営業務の管理責任者

・株式会社であれば常勤取締役など法人の役員等であり、更に下記の表に該当する者である必要があります。

一般建設業許可(1)許可を受けようとする建設業の業種に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者

(2)上記と同等の能力を有するものと認められた者(※)
例:許可を受けようとする建設業以外の建設業の許可業種に関し6年以上、経営業務の管理責任者としての経験を有する者など
※(1)、(2)以外にも該当する場合がございますので事前にご相談ください。
特定建設業許可

・一つの営業所に対して最低1名、常勤の経営業務の管理責任者を設置しなければなりません。
・同一の営業所内に限り、後述の専任技術者と兼任することが可能です。

②専任技術者

・許可を受けようとする建設業にかかる建設工事について、専門的な知識、技術等を有する方になります。

一般建設業許可(1)許可を受けようとする建設業にかかる建設工事に関し次に掲げる要件に該当する者
・10年以上の実務経験を有する者(学歴・資格を問いませんが、建設業の種類毎に10年以上の経験が必要となります。)
例:大工工事と左官工事業を実務経験で取得する
  →2つの工事に関しそれぞれ10年以上の実務経験(計20年以
  上)が必要

(2)上記と同等以上の知識・技術・技能を有するものと認められた者
※一定の国家資格保有者又は特定の専門学校卒業者等になります。
詳細につきましてはご相談ください。
特定建設業許可(1)許可を受けようとする建設業にかかる建設工事に関し次に掲げる要件に該当する者
・一定の国家資格保有者
・一般建設業許可の専任技術者に該当する方でありかつ元請として4,500万円(税込み)以上の工事に関し、2年以上の指導監督的な実務経験を有する者
※詳細につきましてはご相談ください。

・一つの営業所に対して最低1名、常勤の専任技術者を設置しなければなりません。

③誠実性

・取締役等が請負契約に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。

④財産的基礎等

・許可の区分に従い下記の要件を満たす必要があります。

一般建設業許可次のいずれかに該当すること
・自己資本が500万円以上あること。
・500万円以上の資金調達力がありこと。
・直前5年間、許可を受けて継続して営業した実績がありかつ現在許可を有していること。
特定建設業許可次の全ての要件に該当すること
・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと。
・流動比率が75%以上であること。
・資本金が2,000万円以上であること。
・自己資本が4,000万円以上であること。

・一般建設業許可の場合、法人であれば純資産が500万円以上あり欠損のないことが必要になります。そのため資本金が500万円以上あることが一つの目安となります。
・特定建設業の場合、計算が多少複雑となるため、ご相談下さい。

⑤営業所

・本店、支店、営業所を問わず、常時建設工事の請負契約を締結するなど実体的な業務を行う事務所であること。
そのため法人の場合、単なる登記上の本店では要件を満たさないことがあります。具体的には下記の事項全てに該当している必要があります。
・経営業務の管理責任者、専任技術者が常勤していること。
・他の法人、個人事業者や居住スペースとは明確に仕切り等で区切られており、営業所のスペースとして独立性が保たれていること。
・営業用の事務所として使用権限(自己所有又は賃貸契約等を締結していること。ただし、住居専用契約の場合は原則として認められません。)を有していること。
・看板、標識等で建設業の営業所であることが分かるように表示されていること。

⑥その他

・役員、本人等が成年被後見人、被保佐人、被補助人でないこと等

(4)お手続きの流れ

Step1-面談・お打合せ
Step2-書類の収集・作成
Step3-事務所等の写真撮影
Step4-完成した書類等への押印
Step5-都庁・県庁への免許申請
Step6-都庁・県庁から通知書送付

スケジュールの目安

STEP1~4

2~4週間

STEP5~6

およそ40日

(4)弊所にご依頼頂いた場合

■メリット
申請書類の作成、都県への申請や許可取得にかかる要件の判断・役所との折衝を弊所が代行いたしますので、煩雑な手続きを経ずに許可を取得することができます。

■デメリット
法定手数料(証紙代:90,000円)の他に、弊所への報酬がかかります。